あえかなる星の住処

2024/03/09 10:29



コロナ禍になるまで「自分の固定の部屋」というものにあまり縁がなかった。常に多拠点で移動しながらの生活だったので、誰かとのシェアルームか、ホテル住まいか、家具や家電が揃っているairbnbを転々とする暮らし長らくをしていた。

「次はどの国に住もうかな」「どの地域に暮らそうかな」と、まるで日々の食事を選ぶみたいに選択できる生活はそれなりに楽しかったし、刺激もあったけれど「本当の自分の居場所」みたいなものを確立することとは、ちょっと縁遠い。都度寝具も最寄駅も近所の馴染みの店も変わる。
常にゲームのリセットボタンを押しているような感覚が、時にすこし寂しかった。

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そんな生活に終止符を打ったのは自分の意思ではなくて世界の方だった。
コロナがやってきて、世界中の人の暮らしが一変した。

私もそれまで借りていたタイ・バンコクの家具付きの家を引き払い日本に帰国。なかなか元に戻らない世界に見切りをつけて、岡山県に移住したのがその1年後。家具も何もついていない空っぽの箱のような部屋を、10年以上ぶりに一人で借りたのだった。

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「せっかく部屋を借りたし、インテリアを楽しんでみたいな」とは思いつつも、その途中で気づいたのは、空間デザインもスキルと経験がなければできないということ。特に経験は大きい。「壁にアートを飾ってみよう」と決めたのは、イラストーレーターの友人の展示へ出かけたことがキッカケ。「これ壁にどうやってくっ付いてるの?」と聞いたら「虫ピンていうすごい細い釘で付いてるの。穴も最後木工用のボンドとかで塞いだら見えなくなるよ」とのこと。それなら私にもできそうだなと思い、昔印刷した自分の作品を壁に飾ってみることにした(本当に虫ピンだけで飾れることに驚いた)

すると、部屋がなんだ急にぱっと明るくなった。
殺風景だった部屋にリズムが生まれて、
なんだか窓が増えたみたいに部屋が明るくなったのだ。


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壁にアートがあるだけで、雰囲気がぐっと締まること。
そして好きなものだけに囲まれた暮らしは心地よくて、そこにいる自分も含めてどんどん愛せるようになってくることに気づいた。

もしかしたらこんな事、住む場所を動かない人にとっては当然のことなのかもしれない。でも私にとってこの経験は初めての体験で「壁に絵があること」の素晴らしさに気づいた瞬間でもあった。

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その体験がベースとなって、それまではデジタルばかりだった自分の作品を印刷し、パネルとして販売してみることに。
自分自身が欲しかったので前回用意のなかった少し大きめのサイズもあります。




(配送や材料費の関係で1年前より少しだけ値段が上がっております。すみません…)

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「壁にアートを飾ったことがない…」「賃貸だから大きな穴が開けられないから…」と躊躇してしまう方も、軽量なので虫ピンで飾れます。
また大きな作品を迎えるには少し勇気がいるけど、部屋にアートを取り入れてみたい方用にフォトカードも用意してみました。
そのままマステで壁に貼ったり、フレームに入れて飾ってもらえます。

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全部で9種
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前にポップアップで人気だった透明ステッカーも。
こちらは壁からは離れてしまうけど、ディスペンサーやポーチ、ノートに貼っても可愛いです。

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お店はこの春、4月6日まで開けています。
よければぜひ。お立ち寄りください。

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